大判例

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大阪地方裁判所 昭和34年(ワ)4948号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判旨の要点〕技術のいたつて未熟な被告が、買求めたばかりのゴルフクラブを友人から借受け、原告方住宅の裏の空地(ゴルフの設備がないうえ、その北側には原告その他の住宅が並び、力まかせにスイングができるほどの地積の余裕がない)で、ゴルフスイングの練習をした。このようなばあい、つねに不測の事態の発生に留意し、クラブの強振によりボールなどを誤つて住宅内に打ちこむことのないよう、スイングの強さ、地点、方向等に周到な注意をはらい、もつて危険の発生を未然に防止すべき注意義務があるのにもかかわらず、被告はこれを怠り、原告方住宅の裏の板塀とわずか一メートルぐらいへだたるにすぎない物置を目標とし、同物置の西方十余メートルの地点から物置の壁をめがけてボールを打ち返し強いスイングをこころみた。このスイングを反覆中、クラブの首先が衝撃で折れて飛び。原告方住宅の庭先にあつた物干柱の上部に命中して下に落ち、物干柱の根元にいた原告の側頭部に突きささり、このため原告は、開頭手術を必要とする頭蓋陥没骨折兼異物迷入の重傷を負つた。

このばあいにおいて、被告は、右事故の発生は不可抗力による、と主張し、あるいは、メーカーの手落ちによるクラブの内在的瑕疵にもとづく不測の折損に起因するもので、被告の行為と事故とのあいだに因果関係はない、と主張するのであるが、かりにクラブが、所論のとおり、外見上認めがたい瑕疵によりたまたま折損した、としても、右折損にともない原告に対する加害の結果を招来したのは、被告が前示注意義務を怠り、四囲の情況にてらしあらかじめスイングの強さ、地点、方向を選定するのに深甚な注意をはらわなかつたことに起因するものであつて、とうてい不可抗力によるものとは認めがたく、また、被告が前示注意義務を遵守し、右周到な注意を用いるかぎりその発生をみるにいたらなかつたことが認められるから、被告の行為と本件事故とのあいだには当然原因と結果の関係がある。したがつて、被告は本件事故の発生につき過失の責任をまぬがれない。

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